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車校に申し込む時、『AT限定にするか、マニュアルにするか』で手が止まっていませんか。周りはATが多いけれど、MTも取っておいたほうがいいのかな、と迷いますよね。
結論から言うと、仕事や家の車でMTを運転する予定があるならMT、予定がないならAT限定にして、必要になったら限定解除するという考え方がいちばん迷いにくいです。車校のマニュアルの教習は、今はAT車を中心に進み、クラッチ操作の部分だけMT車で練習する方式になっています。
この記事を読めば、ATとMTの時限数の違いと、マニュアルの教習で何をするのか、あとから限定解除する時の流れが分かります。
車校はATとMTのどっちを選べばいい?
迷ったら「MTの車を運転する予定があるか」で決めてみてください。予定があるならMT、ないならAT限定で十分なことが多いです。AT限定で取っても、あとからMTの教習を受けて限定解除する道があります。
『MTのほうが偉い気がする』『AT限定だとあとで困る?』と気になる方も多いはずです。ただ、どちらの免許でも、運転できる車の種類が違うだけで、優劣があるわけではありません。
マニュアル車(ミッション車とも呼ばれます)は、クラッチペダルとシフトレバーで自分でギアを変える車です。AT限定の免許では、このクラッチ操作が必要な車は運転できません。
- 仕事でMTの車を運転する予定がある
- 家の車がMTで、それを運転したい
- AT限定解除の手間をあとで取りたくない
- 運転する予定の車がATだけ
- 教習の時限数を少なくしたい
- 必要になった時に限定解除すればいいと考えている
就職先で使う車が決まっている方は、先に会社や先輩に「社用車はMTですか?」と聞いておくと安心です。
ATとMTを4つの軸で比べてみる
ATとMTの違いは「時限数」「練習すること」「あとから限定解除する場合」「向く人」の4つで見ると分かりやすくなります。規則で決まった技能教習は、AT限定が31時限、MTが35時限です。
ATかMTかを決める時に知りたいことを、4つの軸で表にしました。数字はどれも道路交通法施行規則などの決まりにもとづく最低限の時限です。

| 比べる軸 | AT限定(普通免許) | MT(普通免許) |
|---|---|---|
| 技能教習の時限数 | 31時限(第一段階12・第二段階19) | 35時限(第一段階12・第二段階23) |
| 学科教習の時限数 | 26時限 | 26時限 |
| 練習すること | AT車での運転全般 | AT車での運転全般に加えて、MT車のクラッチ・ギア操作 |
| あとから限定解除する場合 | MTの技能教習を4時限以上受けて審査に合格する | 必要ない |
| 向く人 | MTを運転する予定がない人 | 仕事や家でMTを運転する予定がある人 |
時限数は「最低限この時限は受ける」という基準です。道路交通法施行規則では、技能の時限数は上達の様子に応じて延長するものとされているので、人によってはこれより増えます。
時限数の違いはどこで出る?
第一段階の技能教習は、ATもMTも12時限で同じです。違いが出るのは第二段階で、AT限定が19時限、MTが23時限になっています。
1時限は50分なので、MTは技能教習が4時限ぶん長くなる計算です。通う日数や料金にも、この差が少しずつ表れてきます。
ネットには「MTの第一段階は15時限」といった数字が載っていることがあります。これは令和7年4月の改正より前の方式の説明と考えられます。今の規則の数字は、上の表のとおりです。
今の車校のマニュアル教習はどう進む?
令和7年4月1日から、普通免許の技能の試験や教習は原則としてAT車で行い、MT免許のクラッチ・ギア操作の部分だけMT車で行う方式になりました。そのため、MTで申し込んでも、教習の多くはAT車で進みます。
『MTで申し込んだのに、最初はAT車に乗るの?』と驚く方もいるかもしれません。実は、これが今の新しい方式なんです。
警察庁の案内では、普通免許の技能試験と、これに準じる技能教習・技能検定は原則としてAT車で行います。MT免許のクラッチ・ギア操作に関する項目だけをMT車で行う方式で、普通免許は2025年4月1日に始まりました。
MT車に乗るのは第二段階の一部
警察庁の「教習の標準」では、第二段階の項目のうち、クラッチやギアの操作に関わる項目をMT車で行うことになっています。MT車を使う教習は、4時限以上5時限未満とされています(みきわめを含みます)。
| MT車で練習する主な項目 | どんなことをするか |
|---|---|
| クラッチペダル・チェンジレバーの取り扱い | ペダルとレバーの使い方を覚える |
| 発進と停止・変速操作 | 半クラッチで動き出し、ギアを上げ下げする |
| 坂道の通過・坂道発進 | 坂の途中で止まって、後ろに下がらずに発進する |
| 狭い道・踏切の通過 | 曲がった道や踏切を、エンストせずに通る |
| 方向変換と縦列駐車 | MT車でバックや車庫入れをする |
それ以外の項目、たとえば路上での運転や高速道路での運転、危険を予測した運転などは、AT車で行うことになっています。
改正前から指定を受けている教習所では、経過措置として当面は従来の方法で教習できることになっています。通う車校がどちらの方式なのかは、申し込みの時に確かめてみてください。
検定の合格基準はどう違う?
修了検定(仮免の技能)は、道路交通法施行規則で、AT車を使う項目とAT以外の車を使う項目に分けて採点することになっています。AT限定はAT車の項目で70点以上、MTはAT車の項目で70点以上に加えて、MT車の項目で60点以上が合格です。
AT車の項目を先に行い、そこで合格基準に届かなかった時は、MT車の項目は行わなくてよいことになっています。卒業検定は、本免の技能試験の例に準じて行われます。
| 検定 | AT限定 | MT |
|---|---|---|
| 修了検定(仮免) | AT車の項目で70点以上 | AT車の項目70点以上と、MT車の項目60点以上 |
| 卒業検定 | 本免の技能試験の例に準じる | 本免の技能試験の例に準じる(試験場の本免ではAT・MTの項目それぞれ70点以上) |
検定の流れは車校の第一段階とは?や車校の修了検定とは?も参考にしてみてください。
マニュアルの教習で練習すること
マニュアルで多くの人がつまずくのは、半クラッチでの発進と坂道発進です。採点の基準を知っておくと、何を意識して練習すればいいかがはっきりします。
『クラッチがうまくつながらなくて、すぐエンストする…』という悩みは、MTの教習を受ける人のほとんどが通る道ですよね。ここでは、採点の基準と練習の考え方を紹介します。
採点で見られやすいところ
警察庁の採点基準の運用の標準では、エンストは場内で5点、路上で10点の減点です。通常発進すべき時から約5秒以内に発進しない時は「発進手間どり」として、場内で5点、路上で10点が減点されます。
| 起きやすいこと | 採点基準での扱い |
|---|---|
| エンスト | 場内5点・路上10点の減点 |
| 発進手間どり(約5秒以内に発進しない) | 場内5点・路上10点の減点 |
| 坂道で後ろに下がる(逆行) | 約0.3m以上0.5m未満で10点、約0.5m以上1m未満で20点、約1m以上は検定中止 |
| 踏切の中でのエンスト | 検定中止 |
| おおむね一車長の間でエンスト4回 | 発進不能として検定中止 |
数字を見ると緊張しますよね。ただ、1回のエンストで不合格になるわけではありません。落ち着いて、安全を確かめてからやり直せば大丈夫です。
発進と坂道発進の練習の考え方
半クラッチは、クラッチペダルをゆっくり戻して、エンジンの力がタイヤに伝わり始める所です。車がわずかに動き出す感覚をつかむまでは、足の動きだけに集中してみてください。
- シートを、クラッチを踏み込んだ時にひざがわずかに曲がる位置に合わせる
- クラッチを奥まで踏み、ギアを1速に入れる
- 合図を出し、ミラーと目で周りの安全を確かめる
- クラッチをゆっくり戻し、車が動き出す所で一度止める
- アクセルを少しずつ踏みながら、クラッチを戻しきる

シートの位置は、交通の方法に関する教則で「クラッチを踏み込んだとき、ひざがわずかに曲がる位置」とされています。シートが遠いと、クラッチを細かく操作しにくくなるんです。
坂道発進は、ハンドブレーキや足のブレーキを使って後ろに下がらないようにしながら発進する練習です。教官から教わった手順を、毎回同じ順番で繰り返すと体が覚えてくれます。
ギアの上げ下げで迷った時
『スピードが落ちてきたけど、いつギアを下げればいいの?』と迷う方もいますよね。ギアを変える時機は、車の速さやエンジンの音、坂やカーブの手前かどうかで変わります。
最初のうちは、教官が声をかけてくれる場所を覚えておき、次の時限で自分から「ここで下げます」と言ってみると、判断の練習になります。分からないまま進めず、その場で聞いてみてください。
- 教本のクラッチ・ギア操作のページを読んでおく
- 前回の教習でうまくいかなかった所をメモしておく
- 足元はペダルを踏みやすい靴にする
- 分からない所は、教習の最初に教官に聞く
運転しやすい靴や服装は車校の服装と靴で紹介しています。
あとからAT限定解除する場合と料金の考え方
AT限定で取ったあとでも、指定教習所でMT車の技能教習を4時限以上受けて審査に合格し、試験場で手続きをすればMTも運転できるようになります。教習所の技能審査の合格証明書は、合格の日から1年以内に使います。
『とりあえずATで取って、MTはあとで考えたい』という方も多いですよね。その場合の流れを順番に紹介します。
対象は、AT限定の普通免許を持っている人か、AT限定の卒業証明書(技能検定から1年以内のもの)を持っている人です。警察庁の「教習の標準」では、MT車による4時限以上の技能教習を受けることになっています。内容は、クラッチやチェンジレバーの取り扱い、発進と停止、変速、坂道発進、踏切、方向変換と縦列駐車、みきわめなどです。
- 指定教習所でAT限定解除の教習に申し込む
- MT車の技能教習を4時限以上受ける
- 教習所で技能審査を受けて合格する
- 合格の日から1年以内に、試験場で限定解除審査の手続きをする
- 免許証の「AT車に限る」の条件が外れる

技能審査合格証明書の有効期間は、例として和歌山県警の案内で、審査に合格した日から1年以内です。令和7年3月31日以前に合格した分は3か月以内だったので、古い情報には注意しましょう。
例として警視庁では、指定教習所で技能審査に合格した人の限定解除審査の手数料は1,350円です。受付は平日の8時30分から16時で、運転免許証と技能審査合格証明書などを持っていきます。お住まいの都道府県の案内で確かめてみてください。
MTの教習で、AT車の検定項目は合格してMT車の項目だけ不合格となり、AT限定の卒業証明書を受ける人もいます。「教習の標準」には、その人が続けて限定解除を希望する場合の扱いもあり、条件を満たすと1時限以上の技能教習のあとで技能審査を受けられることがあるので、通う車校に相談してみてください。
マニュアルで取る時の料金
MTは技能教習の時限数がAT限定より4時限多いぶん、教習料金が変わることが多いです。実際の差は候補の車校の料金表で確かめ、通いか合宿かも含めて考えてみてください。
『MTだとどのくらい高くなるの?』という疑問は気になりますよね。総務省統計局の小売物価統計調査で調べられているのはAT限定の一般コースの値段だけで、MTの公的な料金データは見当たりませんでした。
そのため、MTとATの料金の差は、候補の車校の料金表で見比べるのがいちばん確実です。料金表には、コース別の教習料金と、別途必要になる料金が表示されることになっています。
| 確かめたいこと | 見る所 |
|---|---|
| ATとMTの教習料金の差 | コース別の教習料金 |
| 補習や再検定の料金 | 1時限あたり・1回あたりの料金 |
| AT限定解除の料金 | 限定解除のコースの料金 |
| 合宿にMTのコースがあるか | 合宿の案内のコース一覧 |
くわしい料金表の読み方は車校の値段はいくら?で紹介しています。
MTで取るなら車校選びも大事
MTのコースがある車校でも、MT車での教習の時間帯や予約の取りやすさは車校によって違います。申し込む前に「MTの教習はいつごろ、何時限くらいMT車に乗りますか?」と聞いておくと安心です。
近くの車校で通うか、まとまった休みに合宿で取るかでも、通いやすさは変わります。車校の比べ方は車校の選び方で紹介しているので、候補を探したい方は下の案内も参考にしてみてください。
車校・合宿免許さがし(PR)
自分に合う車校を探すなら、通いと合宿の両方から
家や学校からの通いやすさ、予約の取りやすさ、まとまった休みで集中して取る合宿免許など、車校の選び方はいくつかあります。地域や日程から車校を探して、自分に合う通い方を比べてみてください。
無料車校・合宿免許を探す教習の内容・料金・日程は各教習所の案内でご確認ください。
車校のマニュアルでよくある相談
よく見かけるのは「MTを合宿で安く取りたい」「MTからATに変えたい」「発進がうまくいかない」の3つです。どれも、まずは通う車校の案内と教官に相談するのが近道です。
知恵袋などでよく見かける、自車校のマニュアルの教習についての相談を取り上げます。
相談1:お金があまりないので、MTを合宿で取りたい
MTの免許を取りたいけれど、お金に余裕がないので合宿で取ろうと考えているという相談です。
合宿の料金は、業界の規約で日数分の宿泊料金を含めて表示することになっています。食事の回数や往復の交通費が含まれるかも表示されるので、通いと比べる時は宿泊や交通費まで含めて見てみてください。
MTは、AT限定より技能教習の時限数が多いぶん、合宿の日数も増えることがあります。休みの日数が足りるかも一緒に確かめておきましょう。
相談2:MTで入ったけど、ATに変えたい
マニュアルで通い始めたけれど、思ったより難しくてAT限定に変えたいという相談です。
途中でコースを変えられるか、料金の差額がどうなるかは車校によって違います。『今さら言いにくい…』と思うかもしれませんが、早めに受付や教官に相談してみてください。
今の方式では、教習の多くはAT車で進み、MT車に乗るのは第二段階の一部です。MT車の教習に入る前に相談すれば、選べる道が多いこともあります。
相談3:何回乗っても発進に時間がかかってしまう
マニュアルの教習を何回か受けたのに、発進するまでに時間がかかってしまうという相談です。
先ほどの採点基準では、通常発進すべき時から約5秒以内に発進しないと減点になります。ただ、教習の段階では、焦って急に発進するより、安全を確かめて確実に動き出すことのほうが大切です。
「クラッチをどこまで戻すと動き出すのか、もう一度見てもらえますか?」と教官に頼んでみるのも一つの方法です。上達のペースは人それぞれなので、自分を責めずに1時限ずつ積み重ねていきましょう。
よくある質問
車校でマニュアルを選ぶと、何時限多くなりますか?
道路交通法施行規則では、技能教習はAT限定が31時限、MTが35時限なので、MTは4時限多くなります。学科教習はどちらも26時限です。
MTで申し込んでも、AT車で教習するのですか?
令和7年4月1日からの方式では、教習の多くはAT車で行い、クラッチ・ギア操作の部分だけMT車で行います。経過措置で従来の方法の車校もあるので、通う車校に確かめてみてください。
AT限定で取って、あとからMTにできますか?
できます。指定教習所でMT車の技能教習を4時限以上受けて技能審査に合格し、試験場で限定解除審査の手続きをすれば、AT限定の条件が外れます。
MTの修了検定の合格基準は?
AT車の項目で70点以上、MT車の項目で60点以上が合格です。AT車の項目で基準に届かなかった時は、MT車の項目は行わなくてよいことになっています。
車校のATとMTで料金はどのくらい違いますか?
車校によって違います。MTは技能教習の時限数が多いぶん教習料金が変わることが多いので、候補の車校の料金表で見比べてみてください。
まとめ
- MTの車を運転する予定があるならMT、ないならAT限定で取り、必要になったら限定解除する
- 技能教習はAT限定が31時限、MTが35時限で、違いは第二段階の4時限
- 令和7年4月からは、教習の多くをAT車で行い、クラッチ・ギア操作の部分だけMT車で行う
- MTの修了検定は、AT車の項目70点以上とMT車の項目60点以上が合格
- AT限定解除は、MT車の技能教習4時限以上と技能審査、試験場での手続きで進む
ATかMTかは、これからの暮らしで運転する車を思い浮かべると決めやすくなります。迷ったら、気になる車校に相談しながら自分に合うほうを選んでみてください。





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